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【漫画12巻】ネタバレあらすじと見どころ!過去への旅が照らす、ヒンメルの愛とフリーレンの成長(第108話~第117話)

葬送のフリーレン12巻 漫画

過去への新たな旅の始まり

12巻 女神の石碑から過去へ

この記事では、『葬送のフリーレン』12巻の核心に迫ります。物語は、フリーレンが女神の石碑に触れた瞬間、彼女の意識だけが80年以上も過去、勇者ヒンメルたちとの冒険の真っ只中へと飛ばされるという衝撃的な展開から始まります 。これは単なる回想シーンの連続ではありません。これまで断片的に描かれてきた過去が、今、フリーレン自身の視点を通して「生きた現実」として再び紡がれるのです。フェルンもシュタルクもいない、若き日のヒンメル、ハイター、アイゼンと共に、フリーレンは元の時代へ帰る術を探すという、全く新しい旅に挑むことになります。  

12巻の最大の魅力は、この時間跳躍によって生まれる「視点の逆転」にあります。ヒンメルの死後に「人間を知る旅」を始めたフリーレンが、人間関係の機微を理解した「現在の心」で、かつての仲間たちと向き合います。この構造は、本作の根幹をなす「過去の追憶が現在を形作る」というテーマを、さらに一歩先へと進めるものです。過去はもはや固定された追憶ではなく、現在のフリーレンが介入することで変化しうる、動的な舞台へと変わります。読者と現在のフリーレンだけが勇者一行の未来を知っているという状況は、彼らの何気ない会話の一つひとつに、切なくも深い意味合いを与えます。それは、彼女の成長を浮き彫りにすると同時に、私たちが知る勇者ヒンメルの言動の裏にあった、計り知れないほどの深い想いを解き明かす旅の始まりでもあるのです。

12巻 各話の簡単なあらすじ

物語の全体像を把握するため、まず12巻の収録話と各話の主要な出来事を以下にまとめます。

話数タイトル主な出来事
第108話再会フリーレンが過去へ遡り、魔族・残影のツァルトに襲撃される。
第109話残影のツァルトフリーレンが未来の魔法を使いツァルトを撃破する。
第110話勇者一行ヒンメルたちに素性を明かし、帰還方法の探索が始まる。
第111話護衛依頼護衛任務を通じ、フリーレンが過去の旅の感覚を思い出す。
第112話信頼帰還の手がかりを求め、各地の修道院を巡る。
第113話皇獄竜北部高原最強の竜を討伐する。
第114話勇者の剣ヒンメルの剣がレプリカである経緯が明かされる。
第115話親友廃墟の大聖堂で女神の石碑に関する文献を発見する。
第116話帰還の魔法ヒンメルが帰還の魔法で未来へ届けることを約束する。
第117話奇跡の幻影グラオザームの魔法にかかり、ヒンメルの「叶わぬ夢」が描かれる。

過去への時間跳躍―女神の石碑と残影のツァルト

12巻 女神の石碑と残影のツァルト

フリーレンが女神の石碑の解析を始めた直後、彼女の意識は魔王討伐の旅が始まって7年後の世界へと飛びました。未来から来たと悟られないよう、フリーレンは当初その事実を隠そうとします。しかし、時空干渉を察知して現れた魔族「残影のツァルト」との戦闘で、事態は急変します。  

ツァルトは対象に触れることで空間転移させる厄介な魔法の使い手です 。この時代の魔法、特に飛行魔法が未発達な人類にとっては極めて危険な相手であり、フリーレンは対抗が難しいと判断します。そして、やむを得ず未来で一般化した魔法を使い、ツァルトを撃破するのです 。この「君らしくない戦い方」 を目の当たりにしたヒンメルは、フリーレンが何かを隠していること、そして普段とは違う戦い方に戸惑っていることを見抜きます。この一件がきっかけとなり、フリーレンは自分が80年後の未来から来たと打ち明けることを決意するのです。

12巻 フリーレン 未来から来たことを話す

勇者ヒンメルの器―揺るぎない信頼と未来への眼差し

フリーレンの荒唐無稽な話を、ヒンメルは一切疑わず、魔王討伐の旅を中断してでもフリーレンを未来に帰すための「寄り道」を即座に決断します。この行動は、単なる優しさや仲間想いという言葉では片付けられません。それは、ヒンメルという人間の本質、つまり仲間への絶対的な信頼と、目の前の困難から決して目を逸らさない英雄としての覚悟の表れです。彼はフリーレンが時間の中で迷子になっていることを理解し、その不安を取り除くための最も確かな支えとなることを選びました。  

この巻におけるヒンメルの言動は、彼がフリーレンにとっての「時間的な錨(いかり)」であることを示しています。ハイターが未来の結果(魔王を倒せたか)をフリーレンに尋ねようとした際、ヒンメルはそれを制し、「どのような結果になろうと僕達は戦うんだ。僕達は勇者一行なんだから」と言い放ちます。彼は未来の知識に頼るのではなく、「今」を全力で戦うことを選びます。さらに、帰還の魔法の手がかりが見つかった際には、自らが「生涯をかけて」その魔法の名を突き止め、未来のフリーレンのために石碑に刻むと約束します。これは単なる希望的観測ではなく、80年という時間を超えてフリーレンに届けるための、極めて意識的で計画的な行動です。これまで各地に残されてきた彼の銅像も、単なるナルシシズムの産物ではなく、未来を生きるフリーレンが決して孤独にならないようにと設置された、時間の中の道標であったことが、この行動によってより明確に裏付けられるのです。  

12巻 ヒンメル どのような結果になろうと僕達は戦うんだ。僕達は勇者一行なんだから

二つの時間を生きる魔法使い―フリーレンの変化と新たな宝物

過去の世界で、フリーレンは自らの変化を痛感します。ヒンメルたちとの連携を懐かしく思い出しながら、「私はパーティーでの戦い方をヒンメル達から学んだんだ」と内省します。現在の彼女がフェルンやシュタルクと当たり前のように行っている連携は、この過去の旅で得た教訓の賜物だったのです。この気づきは、彼女が過去の旅を単なる通過点ではなく、自らの成長の礎として大切に想っている証拠です。  

12巻 フリーレンの連携

この旅で最も印象的なのは、フリーレンが抱く「帰りたい」という強い想いです。懐かしい仲間たちとの旅はかけがえのないものですが、彼女はヒンメルにこう語ります。「私は私の過ごした時間に戻りたいんだよ。…新しく大切なものも沢山できた。それを失ってしまうのは流石に嫌かな」。このセリフは、本巻におけるフリーレンの心情の核心と言えます。物語の冒頭で仲間を理解できなかったことを後悔していた彼女が、過去に戻ってその機会を得たにもかかわらず、現在の時間を選ぶ。これは、ヒンメルの死後、フェルンやシュタルクと出会い、築き上げてきた新しい絆こそが、今のフリーレンにとって何よりも守りたい「宝物」になったことの証明に他なりません。彼女が「人間を知る旅」で見つけたものが、過去への郷愁を上回るほど価値あるものになった瞬間であり、かつて人間関係に希薄だった彼女が遂げた、決定的で感動的な内面の成長を示しています。

私は私の過ごした時間に戻りたいんだよ。…新しく大切なものも沢山できた。それを失ってしまうのは流石に嫌かな

過去で交差する脅威―七崩賢と大魔族の襲来

フリーレンの帰還の旅は、魔族の介入によってより困難を極めます。この時間跳躍は、単なる偶然の産物ではありませんでした。フリーレンの時空逆行は、七崩賢「全知のシュラハト」によって予言されており 、その予言に基づき、七崩賢「奇跡のグラオザーム」率いる精鋭の魔族たちが、フリーレンの持つ未来の情報を奪うために彼女を待ち構えていたのです。  

12巻 ソリテール グラオザーム

敵の中には、フリーレンが現代の黄金郷で倒したばかりの「無名の大魔族ソリテール」の姿もあります。この展開は、この過去編が単なる感傷的な追憶の旅ではないことを明確に示しています。過去は安全な博物館ではなく、危険に満ちた試練の場なのです。一度倒したはずの強敵と、しかも未来の魔法が使えないという制約の中で再び対峙しなければならない状況は、物語に強烈な緊張感とサスペンスをもたらします。80年分の魔法の発展というフリーレンの最大の武器が、歴史改変のリスクという最大の弱点にもなる。このジレンマは、物語を単なる物理的な戦闘から、高度な頭脳戦・心理戦へと昇華させています。そして、この絶体絶命の状況は、勇者一行がなぜ伝説たりえたのか、その真価を改めて読者に突きつけるのです。

12巻のハイライト―心を揺さぶる名場面とヒンメルの“本当の願い”

この巻は、勇者ヒンメルの名言の宝庫です。困難を前に「いや、いいさ。困難は大きなほうがいい。ワクワクするね」と笑う彼の英雄性。自分の銅像にこだわり、「後世に僕の美しさを正しく残すために」 と語るナルシストな一面と、その裏にある真摯な想い。そして、フリーレンへの絶対的な信頼。これらの言動すべてが、ヒンメルというキャラクターの解像度を極限まで高めていきます。  

そして物語のクライマックス、一行はついに奇跡のグラオザームと対峙します 。グラオザームが使う「楽園へと導く魔法(アンシレーシエラ)」は、「決して叶わないと諦めた幸せな夢」を見せるという、極めて残酷で強力な精神魔法です 。この魔法の真に恐ろしい点は、単なる願望ではなく、対象者が心の奥底で「達成不可能だ」と諦めてしまった願いを的確に突いてくることにあります。常に前向きで、決して諦めない勇者ヒンメルが、一体何を諦めていたのか。その答えが、この魔法によって無慈悲に暴かれます。彼が見た夢――それは、魔王を倒した後の平和な世界で、花嫁姿のフリーレンと結婚式を挙げるという、あまりにも切なく、美しい幻影でした。  

12巻 グラオザームの幻覚 結婚式

これは、ヒンメルがフリーレンを想うが故に、エルフと人間の寿命の違いという残酷な現実を受け入れ、自ら心の内に封印した唯一の願いだったのかもしれません。彼の英雄的な冷静さをいとも簡単に打ち破り、その最も柔らかい部分を抉り出したこの幻影は、ヒンメルの愛の深さを証明する、これ以上ないほど雄弁な証拠となります。彼がこれまでフリーレンに向けてきた全ての言葉と行動に、この叶わぬ願いの重みが乗り、読者の心に息をのむほどの感動と切なさをもたらして12巻は幕を閉じます。

結論:未来へ託された想い―12巻が『葬送のフリーレン』の物語に与えた深み

『葬送のフリーレン』12巻は、単なる過去編ではありません。それは、物語の根幹を成すフリーレンとヒンメルの関係性を再定義し、シリーズ全体のテーマをより一層深化させる、極めて重要な一冊です。

ヒンメルがフリーレンに注いだ、時を超えるほどの信頼と愛情。そして、その想いを受け取っていたことに気づかぬまま、しかし確実に成長を遂げていたフリーレン。この過去への旅は、彼女がヒンメルの死後に始めた「人間を知る旅」が、決して無駄ではなかったことを証明しました。むしろ、その旅があったからこそ、彼女は過去の仲間たちの本当の想いを理解し、そして「帰りたい」と願える現在の居場所の尊さを知ることができたのです。

ヒンメルの決して叶わなかった夢と、未来のフリーレンへ託された約束。この巻が残した切なくも温かい余韻は、読者の心を強く揺さぶり、『葬送のフリーレン』という物語がなぜこれほどまでに私たちの心を惹きつけるのか、その答えを改めて示してくれたと言えるでしょう。

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